FMの「改善」は、評価で見つけた課題を、次の目標と計画へつなぐ仕事です。施設の広さ、安全性、お金の見通し。そして、FMの仕事を支える仕組みまで、第10章では少しずつ視野を広げてきました。
FMの改善をクイズで復習しましょう。本編①〜⑧から一問ずつ、全8問の3択クイズを用意しました。一問ごとに答えを確かめながら、ぴよまるたちと第10章の地図を広げていきます。
🐥ぴよまる:第9章で施設の現在地が分かって、第10章では「これからどうする?」を考えたんだよね。
🐔にわのとりさん:そのとおりじゃ。では、地図を広げて、一歩ずつたどってみようかのう。
😸うちのねこさん:オレも行くニャ。途中で見つけた横道も、気になるからな。
🧭 FMの改善を8問で振り返ろう
第1問|FMの「改善」では何をする?【第10章①】
🐥❓:評価で、目標に届いていない課題が分かったよ。FMの「改善」では、次に何をするの?
A.評価の結果を記録して終える。
B.課題を踏まえ、次の目標に向けた改善方針を立てる。
C.検討せず、すべての施設を新しくする。
🐶うらのいぬさん:正解はBです。
評価で分かった到達点や課題、新たに見つかった問題を踏まえ、次に向けた改善方針を検討・立案するのが、この章でいう改善の中心です。具体的な施策は、その方針を次の計画へつないで考えます。
🐥💡:評価はゴールじゃなくて、次の道を考えるための現在地なんだね。
第2問|ファシリティマネジャーは何に気づく?【第10章②】
🐥:改善につながる課題って、年に一度の評価を待たないと見つけられないのかな?
- A.利用者の声や、事業・働き方の変化にも目を向ける。
- B.建物の外観が変わったときだけ調べる。
- C.評価の時期以外は課題を考えない。
🐶:正解はAです。
ファシリティマネジャーは、FMの目標と実際の状況との差を捉えます。日々の不具合や利用者の声、事業の変化も、改善課題を見つける手がかりになります。
😼:いつもの場所だからこそ、小さな「前と違うニャ」に気づけることもある。
🐥:気づいたことを、確かめて課題にしていくんだね。
第3問|改善方針はどこへ届ける?【第10章③】
🐥❓:見つけた課題が、会社全体の働き方にも関わっていたら、FM部門だけで決められるの?
- A.どんな課題でもFM部門だけで解決する。
- B.FM戦略・計画で扱うことと、経営戦略へ提案することを見極める。
- C.施設以外の話が出たら、課題を取り下げる。
🐶:正解はBです。
FMの目標や施策で扱う改善方針は、FM戦略・計画へ返します。施設の工夫だけでは解決できない全社的な課題は、経営戦略への提案も考えます。経営の方針が変われば、それを受けてFM戦略・計画も見直します。
🐥💡:課題がどこまで広がっているかで、届ける先が変わるんだ。
🐔✨:うむ。現場で見つけたことが、経営の判断材料になる場合もあるんじゃよ。
届けた方針を、次は三つの目標から見てみよう。
第4問|供給目標をどう見直す?【第10章④】
🐥:広い会議室は空いている時間が多いのに、少人数で話す場所は足りないんだ。どう考えればいい?
- A.空いている会議室をすぐになくす。
- B.利用状況と今後の需要を確かめ、必要な広さや用途を考える。
- C.使われ方を調べず、新しい建物を建てる。
🐶:正解はBです。
供給目標の改善では、施設の量や用途が、現在と将来の需要に合っているかを考えます。普段は空いていても、大人数で使う機会があるかもしれません。「余っている」という一つの数字だけで結論を出さないことが大切です。
😼:広い部屋を使う日が年に何回あるか、それも知りたいニャ。
🐥💡:「もったいない」を、必要な場所を考える入口にするんだね。
第5問|品質目標をどう見直す?【第10章⑤】
🐥❓:清掃は決められた回数どおりなのに、夕方の共用スペースが使いにくいという声があるよ。どうしたらいい?
- A.決めた回数を守っているので、何も変えない。
- B.使われ方と求める状態を確かめ、品質目標や計画を見直す。
- C.原因を調べず、すべての場所の清掃回数を倍にする。
🐶:正解はBです。
決めた作業を実施していても、利用者が必要とする品質に届いていない場合があります。記録や現場の状況、利用者の声を合わせて確かめ、「どんな状態を目指すか」を考え直します。人命に関わる安全の課題には、必要な対応を優先します。
🐥💡:「予定どおりにやった?」と「安心して使える?」は、別の問いなんだね。
第6問|財務目標では何を見通す?【第10章⑥】
🐥:オフィスを増床するなら、工事費を用意すればお金の準備は終わりかな?
- A.工事などの初期費用だけを見る。
- B.初期費用に加え、使い続ける費用も見込む。
- C.施設の計画とお金の計画は別々に考える。
🐶:正解はBです。
増床後には、賃料、光熱費、維持管理費なども変わります。施設投資、ファシリティコスト、施設資産への影響を見ながら、供給や品質の改善と財務目標をつなげます。
😼:部屋を増やした後も、毎月の請求書はやって来るニャ。
🐥💡:最初の費用と、その後のお金を一緒に見渡すんだね。
目標を支える仕事の仕組みも確かめよう。
第7問|内部監査で確かめるものは?【第10章⑦】
🐥❓:設備の点検記録はあるのに、担当者によって保存場所が違って、必要なときに見つからないんだ。何を見直せばいい?
- A.記録探しが得意な一人に、すべて任せる。
- B.情報の管理や仕事の手順を点検し、使える仕組みに整える。
- C.点検が済んでいれば、記録は必要ないと決める。
🐶:正解はBです。
改善の対象は、施設の目標だけではありません。情報管理や組織体制、仕事の手順にも課題がないか、内部監査で確かめます。誰か一人の頑張りに頼らず、仕事を続けられる仕組みを考えます。
🐥💡:施設を支える仕事にも、「健康診断」が必要なんだね。
😼:名人しか開けられない引き出しは、ちょっと心配だニャ。
第8問|第三者によるFM監査をどう生かす?【第10章⑧】
🐥:外部の専門家に、施設や運営の状態を見てもらったよ。その結果はどう使うの?
- A.報告書を受け取った時点で改善は完了とする。
- B.社内の評価や利用者の声と合わせ、改善方針の判断材料にする。
- C.組織の目標を考えず、第三者の提案をすべてそのまま実行する。
🐶:正解はBです。
第三者の視点は、慣れた場所で見落としていた課題に気づく助けになります。施設の状態と運営の実態を確かめ、社内で分かっている事情とも合わせて、次の改善に生かします。
😼:外から見えた道と、自分たちが歩いてきた道を、同じ地図に書き込むニャ。
🐥✨:うん。どちらの気づきも、次の判断に役立つんだね。
🗺 第10章の地図を広げると
第1問から第3問では、評価で見つけた課題を改善方針にし、どこへ届けるかを考えました。
第4問から第6問では、その方針を供給・品質・財務の三つの目標から見直しました。この三つは順番に終わらせるものではなく、互いの影響を確かめながら考えます。
第7問と第8問では、視点をFMの仕事そのものへ広げました。内部と第三者の視点を使って、情報や人、手順、施設の運営にある課題を確かめます。
評価で現在地を知る → 改善方針を立てる → 次の戦略・計画へ届ける。
その道を進みながら、三つの目標と仕事の仕組みを見直していく。これが第10章の全体像です。
🐥:最初は「どこを直す?」だと思っていたけど、「何が課題で、誰と、どんな未来を目指す?」まで考えるんだね。
🐔:うむ。評価で手に入れた地図を、次の計画に使える地図へ育てるんじゃよ。
📚 ポイントまとめ
- FMの改善は、評価で見つけた課題を踏まえて改善方針を立てる仕事。
- 改善方針は、FM戦略・計画、または経営戦略へつなげる。
- 供給・品質・財務の目標に加え、FMの仕事を支える仕組みも見直す。
☀️ 今日のまとめ
評価で見えた現在地は、ゴールではありません。そこから「次はどう進もう」と考え、必要な人へ方針を渡すことで、新しい道が開けます。
🐥:ぼく、地図を見て終わりにしないよ。みんなと相談しながら、次の一歩を選んでいきたいな。
😼:道の途中で気づいたことも、書き足していいニャ。地図は育つから。
➡️ 次回予告|第11章は「施設を使う人」へ
第10章では、評価で見つけた課題を改善につなげる道筋を学びました。次の第11章では、施設を使う人に目を向けます。同じ場所でも、感じ方や使いやすさが人によって違うのはなぜでしょうか。ストレスや身体の特性、多様な人の利用を手がかりに、一緒に考えていきましょう。
▶ 人間性関連の知識とは?施設を使う「人」からFMを考える|第11章①
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📖 参考資料・関連情報
公益社団法人 日本ファシリティマネジメント協会編『公式ガイド ファシリティマネジメント』第10章「改善」
- 10.1「改善とは」
- 10.1.1「FMの改善とは」
- 10.1.2「ファシリティマネジャーの役割」
- 10.2「改善と経営戦略、FM戦略・計画との関係」
- 10.2.1「経営戦略との関係」
- 10.2.2「FM戦略・計画との関係」
- 10.3.1「供給目標における改善方針の立案」
- 10.3.2「品質目標における改善方針の立案」
- 10.3.3「財務目標における改善方針の立案」
- 10.4「改善の仕組みづくりとFM監査」
- 10.4.1「統括マネジメントにおける改善(内部監査)」
- 10.4.2「第三者の監査による改善(FM監査)」
この記事では、公式ガイド第10章に示された改善方針の立案とフィードバック、三つの目標の見直し、FMの業務の仕組みを改善する考え方を確認しました。
本編8記事を一問ずつ振り返る3択クイズと、記事同士の関係を一本の道として示した説明は、初心者が章全体の位置関係をつかめるように加えた独自の再構成です。
本記事は公式ガイドの内容を参考にしていますが、原文の文章・図表を引用したものではなく、筆者が独自に再構成した解説です。
- 公益社団法人 日本ファシリティマネジメント協会
日本におけるFMの普及と、ファシリティマネジャーの育成を行っている公式団体です。
