第10章では、評価で見つけた課題を改善につなげる方法を学びました。では、施設をよりよくするとき、何を手がかりに考えればよいのでしょうか。
人間性関連の知識は、施設を使う人と環境の関係を考える手がかりです。第10章では、評価で見つけた課題を改善につなげる方法を学びました。では、施設をよりよくするとき、使う人について何を知っておけばよいのでしょうか。
同じ部屋にいても、落ち着く人もいれば、音が気になって集中しにくい人もいます。施設のよさを考えるには、建物や設備だけでなく、人と環境との関係に目を向けることが大切です。
🐥 まずは3択クイズ!
🐥ぴよまる:きれいに整ったオフィスなら、みんなが働きやすいのかな?
😸うちのねこさん:オレが窓際を気に入ったら、そこは「全員にとって最高の席」に決まりかな。
🐥❓:ねこさんには最高かもしれないけど……。FMで働く環境を考えるとき、いちばん近いのはどれ?
- A.設備が新しければ、使う人のことは考えなくてよい。
- B.使う人の感じ方や身体の特性、行動の違いにも目を向ける。
- C.全員が同じ使い方をするように決める。
🐶うらのいぬさん:正解はBです。同じ施設でも、使う人や仕事によって必要な環境は変わります。FMでは、設備の状態だけでなく、人がそこでどう過ごし、どう使うかも考えるんです。
😸💡:なるほど。オレの窓際席をみんなに薦める前に、みんなの話を聞く必要があるな。
👤 人間性関連の知識は、FMとどうつながる?
公式ガイドの第11章「人間性関連の知識」は、人に関係する知識を、環境や社会とのつながりから取り上げています。
たとえば、明るく開放的な場所が話し合いに合うこともあれば、周囲の音を抑えた場所が集中する仕事に合うこともあります。机や椅子の使い心地、ドアの開けやすさ、施設内の移動のしやすさも、人が施設を使う体験に関わります。
🐥:建物をよくする話なのに、人の気持ちや身体のことまで出てくるんだね。
🐔にわのとりさん:うむ。施設は人が使ってこそ役に立つからのう。「何を設置したか」と「そこでどう過ごせるか」は、一緒に考えたいところじゃ。
🧭 第11章でたどる5つの視点
この章では、次のような視点から、人と施設の関係を見ていきます。
| 視点 | 考えること |
|---|---|
| 感情と意欲 | 環境から受けるストレスや、働く意欲との関わり |
| 知識の生まれ方 | 言葉にしにくい知識や、周囲の刺激の受け止め方 |
| 身体と作業環境 | 机・椅子などを、人の身体や作業にどう合わせるか |
| 使いやすさ | 見たり触れたりしたとき、使い方が伝わるか |
| 多様な人の利用 | 異なる人が施設を利用し、参加できる環境をどう整えるか |
これらは、人を一つの型に当てはめるための知識ではありません。使う人をよく見て、困りごとや使い方を確かめるための手がかりです。
🔄 第10章の「改善」と、どうつながる?
第10章では、評価から課題を見つけ、改善方針を考えました。第11章の知識は、その改善を考えるときの視野を広げてくれます。
たとえば「会議室が使いにくい」という声があったとします。予約の仕組み、部屋の数、設備の状態を見ることは大切です。それに加えて、入口の分かりやすさ、椅子の使いやすさ、音や照明の感じ方など、利用する人の側からも確かめられます。
🐥💡:同じ「使いにくい」でも、何に困っているかは人によって違うんだね。
🐶:そうですね。決めつけずに利用状況や声を確かめると、改善すべき点が見えやすくなります。
🐔:第10章で学んだ改善の道筋に、「使う人の視点」という地図を重ねるんじゃよ。
📚 ポイントまとめ
- 公式ガイドの第11章は、人と環境・社会との関係に目を向ける。
- 施設の状態がよくても、人によって使いやすさや感じ方は異なる。
- 感情、知識、身体、行動、多様性の視点が、FMの改善を考える手がかりになる。
☀️ 今日のまとめ
施設を見るとき、その場所で過ごす人にも目を向けてみよう。
➡️ 次回予告
次回は、働く環境とストレスの関係を考えます。同じ場所でも負担の感じ方が違うのは、なぜでしょうか。
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📖 参考資料・関連情報
公益社団法人 日本ファシリティマネジメント協会編『公式ガイド ファシリティマネジメント』第11章「人間性関連の知識」
- 11.1「人間性関連の知識について」
この記事では、公式ガイドが示す第11章の扱う範囲を確認し、施設を使う人の視点から章全体を見渡せるようにしました。会議室の例、クイズ、5つの視点を示す表は、初めて学ぶ人に向けた記事独自の再構成です。
本記事は公式ガイドの内容を参考にしていますが、原文の文章・図表を引用したものではなく、筆者が独自に再構成した解説です。
- 公益社団法人 日本ファシリティマネジメント協会
日本におけるFMの普及と、ファシリティマネジャーの育成を行っている公式団体です。