FMの標準業務とは? 5つの仕事をPDCAでつなぐ|第4章①

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FMの標準業務は、ファシリティマネジメントの幅広い仕事を整理し、計画から改善までをつなぐ基本的な枠組みです。

第3章では、建物が計画されてから役目を終えるまで、その一生にファシリティマネジメントがどう関わるのかを学びました。

では、建物や設備を安全で使いやすい状態に保ち、組織の活動を支えるために、FMはどのような仕事をしているのでしょうか。

今回は、たくさんある仕事を整理するための基本となる、FMの標準業務を見ていきましょう。

🧭 FMの仕事は、どのように整理されている?

🐥ぴよまる:FMの仕事って、建物の点検や清掃だけじゃないんだよね?

🐔にわのとりさん:うむ。計画を立てたり、仕事の結果を評価したりすることも、FMの大切な役割なのじゃ。

🐥:そんなにたくさんあると、どこから見ればいいのか迷いそうだなあ。

🐔:そこで役立つのが、仕事の全体像を整理した「標準業務」なのじゃよ。

ここでクイズです。

FMの標準業務について、最も適切な説明はどれでしょうか?

  • A.清掃・警備・点検の作業手順をまとめたもの
  • B.FMの仕事を5つに整理し、継続的な改善につなげるもの
  • C.毎日、すべての建物で同じ仕事をするための決まり

🐥:点検や清掃もFMの仕事だけど、それだけではなさそうだね。ぼくはBかな。

😸うちのねこさん:オレの食事、昼寝、毛づくろいを順番に並べたA……ではなく、これは「標準的な一日」だったニャ。

🐶うらのいぬさん:正解は、B.FMの仕事を5つに整理し、継続的な改善につなげるものです。

標準業務は、すべての施設でまったく同じ作業をするための決まりではありません。幅広いFMの仕事を共通の枠組みで整理し、計画から改善までを円滑に進めるための基本形です。

🔄 FMの標準業務を構成する5つの仕事

FMの仕事は、組織の大きさや施設の種類、FM部門が担う責任の範囲などによって異なります。

そこで『公式ガイド ファシリティマネジメント』では、FMの基本となる仕事を、次の5つの標準業務に整理しています。

  1. 統括マネジメント
  2. FM戦略・計画
  3. プロジェクト管理/運営維持
  4. 評価
  5. 改善

🐥:あれ? PDCAは4つなのに、FMの標準業務は5つあるの?

🐔:よく気づいたのう。4つの段階を動かし、全体をつなぐ役割として「統括マネジメント」があるからなのじゃ。

それぞれの役割を、まず大まかにつかんでみましょう。

1.全体をまとめる「統括マネジメント」

FMの仕事全体を見渡し、組織体制を整えたり、予算やデータ、ルールを管理したりします。

特定の一段階だけを担当するのではなく、ほかの業務を結びつけ、FMのサイクルが円滑に進むよう支える中心的な役割です。

2.進む方向を決める「FM戦略・計画」

組織の経営方針に沿って、ファシリティをどのように使い、整えていくのかを考えます。

FMの目標や施策を決め、中長期的な実行計画を立てる、PDCAの「Plan」に当たる仕事です。

3.計画を形にする「プロジェクト管理/運営維持」

新築、改修、移転などのプロジェクトを進めたり、完成した施設を日常的に運営・維持したりします。

計画を実行に移す、PDCAの「Do」に当たります。

4.結果を確かめる「評価」

施設やサービスが目標どおりの状態になっているかを、品質・財務・供給などの視点から確かめます。

感覚だけで判断するのではなく、調査や数値などを用いて現状と課題を明らかにする、PDCAの「Check」です。

5.次の一手を考える「改善」

評価によって見つかった問題や、新たに生まれた課題をもとに、改善方針を考えます。

その方針は次の戦略や計画に反映され、再び新しいサイクルが始まります。これがPDCAの「Act」です。

🌀 FMの標準業務はPDCAで成長していく

🐥:計画して、実行して、確かめて、改善する。それを何度も繰り返すんだね。

🐔:そうじゃ。ただ同じ場所をぐるぐる回るのではないぞ。改善するたびに、少しずつ高い目標へ進んでいくのじゃ。

PDCAは円で描かれることが多いものの、FMでは改善を重ねながら成長していく、らせん状のサイクルとして捉えることができます。

例えば、オフィスの「会議室が足りない」という問題に対して、新しい予約方法を導入したとします。

その結果を評価すると、予約の重複は減ったものの、使われていない予約が多いことに気づくかもしれません。そこで利用ルールを改善し、次の計画へつなげます。

このように、FMは一度対策して終わるのではありません。変化する利用者のニーズや経営環境に合わせて、よりよい状態を目指し続けます。

😸:オレの寝床も、季節ごとに最適な場所へ改善されているニャ。

🐶:それは、ねこさん自身が勝手に移動しているだけかもしれません。

📚 ポイントまとめ

  • FMの標準業務は、幅広いFMの仕事を整理するための基本的な枠組み
  • 標準業務は「統括マネジメント」「FM戦略・計画」「プロジェクト管理/運営維持」「評価」「改善」の5つ
  • 「FM戦略・計画」「プロジェクト管理/運営維持」「評価」「改善」は、PDCAに対応する
  • 「統括マネジメント」は、各業務をつなぎ、サイクル全体を支える
  • PDCAは改善を重ねながら、より高い目標へ進んでいく

🌱 今日のまとめ

FMの標準業務は、仕事をばらばらに並べた一覧表ではありません。

経営の方向を踏まえて計画し、実行し、その結果を確かめ、次の改善へつなぐための地図です。そして、その地図を見ながら全体を動かす役割を、統括マネジメントが担っています。

全体の位置関係が分かれば、今取り組んでいる仕事が何のためにあり、次にどこへつながるのかも見えやすくなります。

次回は、この5つの標準業務をさらに細かく整理した「8つのユニット」を見ていきましょう。


🎮 次回予告:第4章②

FMの8ユニットとは?標準業務を詳しく見てみよう


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📖 参考資料・関連情報

  • 『公式ガイド ファシリティマネジメント』第4章「FMの体系」4.1「FMの標準業務」
  • 同 4.1.1「FMの標準業務の展開」
  • 同 4.1.2「FMの標準業務の8ユニット」
  •  公益社団法人 日本ファシリティマネジメント協会
    日本におけるFMの普及と、ファシリティマネジャーの育成を行っている公式団体です。同協会もFMを経営基盤に関わる活動として扱っています。
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