ファシリティマネジメントとは?やさしく学ぶFM入門|第1章①

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ファシリティマネジメントを楽しく学ぼう

「ファシリティマネジメント」と聞くと、建物の点検や修理をする仕事を思い浮かべるかもしれません。

けれども、ファシリティマネジメントが見ているのは、建物だけではありません。

そこで働く人、仕事の進め方、費用、安全、情報、そして組織の目標まで、すべてがつながっています。

まずは、身近な職場を思い浮かべながら、クイズに挑戦してみましょう。

まずは3択クイズ

【問題】ファシリティマネジメント(FM)の説明として、最も適切なのはどれでしょう?

  1. 建物や設備が壊れたときに修理すること
  2. 新しくて高性能な建物や設備をそろえること
  3. 組織の目的に合わせて、施設や環境を総合的に活用すること

少し考えてから、ぴよまると一緒に答えを選んでみましょう。

🐥ぴよまる:ぼくは「1番」だと思う!建物を管理する仕事なら、壊れたところを直すことじゃないかな。

🐶うらのいぬさん:正解は、3番です。修理もFMの大切な仕事ですが、それだけではありません。見分けるポイントは、組織の目的に合わせて考えているかです。

では、なぜ3番が正解なのでしょうか。

まずは、FMが何を見ているのかを探っていきましょう。

ファシリティマネジメントは、建物を「何のために使うか」を考える

FMは、建物をきれいに保ったり、壊れた設備を修理したりするだけの仕事ではありません。

その建物や設備を、組織の目的に合わせてどのように活用するかを考える仕事です。

ファシリティは建物だけではない

🐥:ファシリティって、建物のことじゃないの?

🐔にわのとりさん:建物も含まれるが、それだけではないんじゃ。土地、建物、設備、家具など、人や組織の活動を支えるさまざまなものを見ていくんじゃよ。

ファシリティには、たとえば次のようなものがあります。

  • 土地や建物
  • 空調、照明、エレベーターなどの設備
  • 机、椅子、収納などの家具
  • 会議室や執務スペース
  • 施設の利用を支える情報やICT環境

さらにFMでは、清掃、警備、受付など、施設を利用するために必要なサービスについても考えます。

ここで、「設備」と「設備によってつくられる環境」を分けて考えてみましょう。

照明器具は設備です。一方で、「まぶしくない」「手元が見やすい」といった状態は、照明によってつくられる環境です。

空調設備と、そこで過ごす人が感じる暑さや寒さも同じ関係です。

😸うちのねこさん:では、オレの窓辺のひなたぼっこスペースも、快適な利用環境ということだニャ。

🐔:ねこさん専用かどうかはともかく、利用する者にとって快適かどうかを見るのも、FMの大切な視点じゃな。

建物管理はFMの大切な一部

建物管理では、故障した設備を修理したり、清掃や点検を行ったりします。

これらは、施設を安全に使い続けるために欠かせない仕事です。

ただし、FMはさらに一歩引いて、次のようなことまで考えます。

  • この建物は、組織の仕事に合っているか
  • 使われていない部屋はないか
  • 維持費がかかりすぎていないか
  • 働く人の安全や健康は守られているか
  • 災害が起きても事業を続けられるか
  • 将来の組織計画に合った施設になっているか

🐥:壊れたところを直すだけじゃなくて、この建物を何のために使うのかまで考えるんだね。

🐔:そのとおりじゃ。修理するか、設備を更新するか、使い方を変えるか。場合によっては、建物やスペースを減らすという判断もあるんじゃ。

新しくて高性能な設備にも、省エネ性能が高い、故障しにくい、使いやすいといった利点があります。

しかし、新しいものを導入すれば、必ず正解になるとは限りません。

設備の導入には費用がかかり、操作方法を覚える時間も必要です。施設の使い方によっては、今ある設備を修理して使い続けるほうが適切な場合もあります。

🐶:FMでは、性能だけでなく、費用、利用期間、安全性、使う人への影響なども含めて判断します。

🐥:いちばん新しいものではなく、目的に合ったものを選ぶんだね。

FMは、豪華な建物をつくるための考え方ではありません。

限られた費用や人員の中で、施設の価値をどのように生かすかを考える仕事なのです。

FMは、計画・実行・評価・改善を繰り返す

施設や働く環境は、一度整えれば終わりではありません。

組織の人数が変わったり、新しい仕事が始まったり、設備が古くなったりすれば、適切な環境も変わります。

そこでFMでは、PDCAサイクルなどを活用しながら、継続的に改善していきます。

  • Plan(計画):目的や方針を決める
  • Do(実行):計画に沿って実施する
  • Check(評価):結果を確認し、課題を見つける
  • Act(改善):見直した内容を次の計画へつなげる

たとえば、職場から「会議室が足りない」という声が上がったとします。

すぐに新しい会議室をつくるのではなく、まずは利用状況を調べます。

すると、一部の会議室だけに予約が集中し、ほかの部屋はあまり使われていないことが分かるかもしれません。

部屋の広さや設備が利用目的に合っていない、予約方法が分かりにくいといった原因も考えられます。

その場合は、工事をしなくても、設備や予約方法を見直すことで問題を解決できる可能性があります。

🐥:困ったことが起きても、すぐ工事をするわけじゃないんだ。

🐔:原因を調べ、対策を実行し、その結果を確かめる。必要なら、もう一度見直す。そこが「管理」だけではない、「マネジメント」の大切なところなんじゃよ。

FMは、人・組織・社会を支えている

FMによって生まれる価値を、「人・組織・社会」という三つの視点から見てみましょう。

人を支える

安全で健康的な環境は、働く人や施設を利用する人を守ります。

照明、空調、音、動線などを整えることで、働きやすさや利用しやすさにもつながります。

組織を支える

施設にかかる費用や利用状況を把握することで、建物や設備を計画的に活用できます。

また、故障や災害への備えは、事業が止まるリスクを抑えることにもつながります。

社会を支える

省エネルギーや建物の長寿命化は、環境への負荷を減らします。

地域の防災や、限りある資源を有効に使うという点でも、FMは社会とつながっています。

ただし、FMを行えば、必ず費用が下がったり、生産性が上がったりするわけではありません。

施設の用途、働き方、予算、運用方法などによって、適切な答えは変わります。

だからこそ、目的を決め、結果を確かめながら改善を続ける必要があるのです。

😸:オレの昼寝場所も、日当たりや室温を確かめながら、毎日改善されているニャ。

🐶:それはFMというより、ねこさんが家の中でいちばん快適な場所を選び続けているだけかもしれません。

😸:選ばれし者には、最適な場所が用意されるものだニャ。

今日のまとめ

ファシリティマネジメントとは、建物をきれいに保ったり、壊れた設備を修理したりすることだけではありません。

組織の目的に合わせて、施設や環境を総合的に企画・管理・活用する考え方です。

冒頭のクイズを、もう一度振り返ってみましょう。

正解は「3.組織の目的に合わせて、施設や環境を総合的に活用すること」でした。

見分けるポイントは、建物そのものだけでなく、そこで活動する人や組織の目的まで見ているかどうかです。

修理や点検は、FMを支える大切な仕事です。

しかしFMは、修理するか、更新するか、使い方を変えるか、そもそも今後も必要なのかまで考えます。

身近な職場や学校を見渡してみると、

「なぜ、この場所はこのようなつくりになっているのだろう?」

という新しい疑問が見えてくるかもしれません。

その疑問こそが、FMを知る最初の入り口です。

次回予告:「FMの目的と機能」って?

次回は、FMがどのような目的を持ち、組織の中でどんな働きをしているのかを見ていきます。

参考資料・関連情報

※本記事は、FMの基本的な考え方を初心者向けに整理したものです。資格試験の出題範囲や用語の定義については、受験年度の公式案内・公式教材も併せてご確認ください。

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