※この記事は「年収の壁」シリーズ第2部です。
第1部では、130万円の壁が長く続いてきた理由と、現在すでに160万円まで動いている背景を整理しました。
ここではその続きとして、168万円案と178万円案の違いを、生活目線で比較します。
◆まず結論をひとことで言うと
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168万円:制度を安定させながら、段階的に改善する案
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178万円:働き損を大きく減らし、生活実感を重視する案
どちらも「年収の壁を見直す」点では同じ。
違いは、どこを優先するかです。
◆比較①|考え方の違い(まずは全体像)
| 視点 | 168万円案 | 178万円案 |
|---|---|---|
| 基本スタンス | 慎重・段階的 | 積極的・生活重視 |
| 重視している点 | 制度の安定 | 働く人の手取り |
| 想定される変化 | ゆるやか | 大きめ |
| 国・企業の負担 | 抑えめ | 増えやすい |
👉 168万円は「安全運転」
👉 178万円は「アクセル多め」
というイメージを持つと分かりやすいです。
◆比較②|働く人の「手取り感覚」はどう変わる?
| 項目 | 168万円 | 178万円 |
|---|---|---|
| 扶養内で働ける余裕 | ある程度広がる | かなり広がる |
| 働き損の解消 | 一部改善 | 大きく改善 |
| シフト調整の自由度 | 少し増える | かなり増える |
| 生活費への安心感 | やや改善 | 改善を実感しやすい |
🔍 ポイント
178万円のほうが「もう一日働っても大丈夫」と感じやすいライン。
一方、168万円は「急に変わりすぎない安心感」があります。
◆比較③|社会保険との関係(ここは要注意)
年収の壁を語るとき、社会保険は避けて通れません。
| 観点 | 168万円 | 178万円 |
|---|---|---|
| 社会保険加入に近づく人 | 増える | さらに増える |
| 保険料の本人負担 | 一部で発生 | 発生する人が多くなる |
| 将来の年金 | 少し増える可能性 | より増えやすい |
⚠️ 注意点
年収が上がる=必ず手取りが増える、とは限りません。
社会保険に加入すると、短期的には手取りが減るケースもあります。
◆比較④|企業側・制度側から見ると?
| 視点 | 168万円 | 178万円 |
|---|---|---|
| 企業の保険料負担 | 管理しやすい | 増えやすい |
| シフト調整 | 比較的安定 | 見直しが必要な場合あり |
| 制度全体への影響 | 小さめ | 大きめ |
| 政策としてのリスク | 低め | 高め |
ここが、政府が168万円にとどめたい理由でもあります。
◆「見えにくいデメリット」はどこに出やすい?
178万円案は魅力が大きい一方で、
次のような“あとから気づきやすい点”もあります。
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社会保険料の天引きが始まり、月の手取りが減る
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企業側の都合でシフトが減る可能性
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扶養制度そのものが、今後さらに見直される可能性
👉 これは「悪いこと」ではなく、
制度が次の段階に進むサインとも言えます。
◆じゃあ、どっちを選ぶのが正解?
ここで大切なのは、
「どちらが正しいか」ではなく「自分に合うか」。
168万円が合いやすい人
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急な変化は不安
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扶養の仕組みをできるだけ維持したい
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企業や制度の安定を重視したい
178万円が合いやすい人
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働けるなら、もう少し働きたい
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物価高で家計が苦しい
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将来の年金や働き方の自由度を重視したい
◆まとめ|168万円と178万円は「未来への選択肢」
| 観点 | 168万円 | 178万円 |
|---|---|---|
| 安定感 | ◎ | △ |
| 手取り改善 | △ | ◎ |
| 変化の大きさ | 小 | 大 |
| 生活実感 | 中 | 高 |
どちらも「130万円の時代を終わらせる」という点では同じ方向。
違うのは、どのスピードで、どこまで進むかです。
▶ 次回予告(第3部)
ぴよまる劇場で総まとめ
・結局この話、どう受け止めればいい?
・生活目線での“心の整理”
・数字に振り回されない考え方
