年収106万円を超えると社会保険に入ることになるから、働く時間を調整している。
そんな話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
ところが、この「106万円の壁」が2026年10月に撤廃される予定です。
🐥ぴよまる:106万円の壁、なくなるんだって!
😸うちのねこさん:壁がなくなるなら、好きなだけ働けるニャ。
🐔にわのとりさん:待つんじゃ。
🐥:え?
🐔:106万円の壁がなくなっても、130万円の壁は残るんじゃ。
😸:…………。
🐥:ねこさん?
😸:壁がなくなった場所に、オレの昼寝用ベッドを置こうと思ってたニャ。
🐔:話を聞いておったか?
「106万円の壁」と「130万円の壁」。
どちらも社会保険に関係する「年収の壁」としてよく耳にしますが、実はこの二つ、そもそも仕組みが違います。
結論からいうと、106万円の壁がなくなっても、「扶養」という仕組みそのものがなくなるわけではありません。
しかも2026年には、106万円の壁だけでなく、家族の健康保険の扶養に入れるかを判断する「130万円基準」の判定方法にも変更がありました。
この記事では、次のことを順番に整理していきます。
- 106万円の壁とは何だったのか
- 2026年10月から何が変わるのか
- 106万円と130万円の壁は何が違うのか
- 130万円を一時的に超えたらどうなるのか
- 社会保険に加入すると手取りはどうなるのか
- 結局、自分は何を確認すればいいのか
- まず確認――あなたはどこを見ればいい?
- まずは時系列で見てみよう――「年収の壁」はいつ変わる?
- そもそも「106万円の壁」とは?
- 2026年10月、「106万円の壁」がなくなる
- じゃあ、2026年10月からは「週20時間」がポイントになる?
- 社会保険に入ると、手取りはどうなる?
- では「130万円の壁」とは?
- 106万円と130万円の壁、何が違う?
- 106万円の壁がなくなっても、130万円の壁は残る
- 130万円の「判定方法」は2026年4月から変わった
- 残業でたまたま130万円を超えたら?
- 19歳以上23歳未満なら「150万円」の場合も
- 結局、私はどの「壁」を見ればいい?
- 「壁がなくなる」より「働き方で社会保険が決まる」方向へ
- まとめ――106万円がなくなっても、扶養がなくなるわけではない
- 参考にした主な公的資料
まず確認――あなたはどこを見ればいい?
「106万円の壁がなくなる」と聞いて、まず知りたいのは、
私は扶養のままでいられるの?
ということではないでしょうか。
詳しい条件はこのあと説明しますが、まずは自分がどこを確認すればよいのか、大まかな道筋を見てみましょう。
家族の健康保険の扶養に入っている?
↓ YES
勤務先の社会保険の加入対象になる?
YES → 勤務先の社会保険へ加入
NO → 130万円などの扶養基準を確認
※実際の社会保険加入や被扶養者認定には、週の所定労働時間、勤務先の適用条件、生計維持関係など、ほかの要件もあります。ここでは、自分がまず何を確認すればよいかを簡略化して示しています。
🐥:最初に、「自分はどっちへ進むの?」が分かるんだね。
🐔:そうじゃ。まず現在地を確認してから、なぜそうなるのかを順番に見ていこう。
まずは時系列で見てみよう――「年収の壁」はいつ変わる?
今回の制度変更は、一度にすべてが変わるわけではありません。
まずは、2025年以降の主な変更を時系列で見てみましょう。
2025年10月
19歳以上23歳未満の被扶養者について、一定の場合の年間収入基準を130万円未満から150万円未満へ引き上げ
※配偶者は対象外です。
↓
2026年4月
健康保険の被扶養者認定について、給与収入のみで労働条件通知書などから契約上の年間収入を確認できる場合には、契約内容から見込まれる年間収入をもとに判定する方法へ変更
↓
2026年10月
短時間労働者の社会保険加入要件のうち、月額8万8,000円以上という賃金要件(いわゆる「106万円の壁」)を撤廃予定
↓
2027年10月以降
短時間労働者への社会保険適用について、企業規模要件を段階的に縮小
↓
2035年10月
企業規模要件を撤廃予定
🐥:106万円と130万円が、一緒に変わるわけじゃないんだね。
🐔:そうじゃ。それぞれ別の制度変更として考えたほうが分かりやすいんじゃ。
😸:2025、2026、2027……
🐥:ねこさんも年表見てる!
😸:2035年までに、ちゅ~るが何本食べられるか計算してるニャ。
🐔:好きにせい。
では、一つずつ見ていきましょう。
そもそも「106万円の壁」とは?
まず、106万円という数字から見てみましょう。
一定規模以上の会社で働くパート・アルバイトなどの短時間労働者は、いくつかの条件を満たすと、勤務先の健康保険と厚生年金に加入します。
現在の代表的な条件には、次のようなものがあります。
- 従業員51人以上の企業で働いている
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 所定内賃金が月額8万8,000円以上
- 学生ではない
このうち、
月額8万8,000円 × 12か月 ≒ 年収106万円
となることから、「106万円の壁」と呼ばれてきました。
🐥:106万円を超えた瞬間に何かが起きるわけじゃないんだね。
🐔:そうじゃ。正確には「年収106万円」そのものを判定しているわけではないんじゃ。
😸:106万円ぴったりの壁が立っているわけじゃないニャ?
🐔:立っておらん。
😸:よかったニャ。爪とぎにするところだったニャ。
つまり「106万円」は、社会保険への加入要件の一つである「月額賃金8万8,000円」を年収に置き換えた、いわば目安だったのです。
2026年10月、「106万円の壁」がなくなる
この月額8万8,000円以上という賃金要件が、2026年10月に撤廃される予定です。
厚生労働省も、この賃金要件を「いわゆる年収106万円の壁」として、2026年10月に撤廃予定と案内しています。
では、なぜ撤廃するのでしょうか。
背景にあるのが、最低賃金の上昇です。
厚生労働省によると、すべての都道府県で2025年度の地域別最低賃金が時給1,016円を超えました。
🐥:1,016円? なんだか半端な数字だね。
🐔:そこにはちゃんと理由があるんじゃ。
時給1,016円で週20時間働くとして、実際に計算してみましょう。
1,016円 × 20時間 × 52週 ÷ 12か月 = 約8万8,053円/月
🐥:あっ!
🐔:気づいたかの?
🐥:8万8,000円を超えた!
😸:そうか。この53円こそが、大きな壁との境目というわけかニャ?
🐥:たった53円なのにね。
🐔:そうじゃ。大切なのは53円という金額ではなく、最低賃金で週20時間働けば、月額8万8,000円以上になるところまで来たということなんじゃ。
つまり、最低賃金が時給1,016円以上なら、週20時間働くことで、計算上は月額8万8,000円以上になります。
そのため、「週20時間以上」という条件とは別に「月額8万8,000円以上」という賃金要件を設けておく意味が薄れたのです。
厚生労働省の資料にも、「時給1,016円以上 → 週20時間働く → 自動的に月額賃金8.8万円以上」という関係が図で示されています。
🐥:自分で計算してみると、どうして1,016円なのか分かるね!
🐔:数字には理由があるんじゃよ。
じゃあ、2026年10月からは「週20時間」がポイントになる?
🐥:106万円を気にしなくてよくなるなら、これからは週20時間がポイントになるの?
🐔:そうじゃ。ただし、週20時間以上なら誰でも加入する、という意味ではないぞ。
2026年10月に賃金要件が撤廃されると、短時間労働者が社会保険の加入対象になるかを考えるうえで、「週の所定労働時間が20時間以上か」という条件の重要性は、これまで以上に分かりやすくなります。
ただし、社会保険への加入は「週20時間」だけで決まるわけではありません。
2026年10月の時点では企業規模要件が残っているほか、学生は原則として短時間労働者への適用拡大の対象外です。また、勤務先が社会保険の適用事業所であるかなど、ほかの条件も関係します。
「週20時間以上働けば、すべての人が必ず社会保険に加入する」ということではありません。
2026年10月にまず変わるのは、これまで加入要件の一つだった「月額8万8,000円以上」という賃金要件がなくなることです。
企業規模要件も将来はなくなる予定ですが、一度になくなるわけではありません。
2027年10月から段階的に対象企業が拡大され、2035年10月に企業規模要件そのものが撤廃される予定です。
😸:壁を一枚ずつ壊しているニャ。
🐥:ねこさん、急にちゃんとしたこと言った!
😸:空いた土地にキャットタワーを建てるニャ。
🐔:やはり聞いておらんのう。
社会保険に入ると、手取りはどうなる?
ここで、もう一つ気になることがあります。
🐥:社会保険に入ったら、手取りはどうなるの?
🐔:健康保険料や厚生年金保険料を負担することになるから、同じ給与額なら手取りは減るんじゃ。
🐥:じゃあ、損なの?
🐔:そう単純でもないぞ。厚生年金に加入すれば将来受け取る年金が増えるし、健康保険の保障が手厚くなる面もあるんじゃ。
😸:今日のおやつが減って、未来のおやつが増えるニャ?
🐔:だいぶ違うが、今日はそれでよし。
社会保険に加入すると、健康保険料や厚生年金保険料の自己負担が発生するため、同じ給与額で比べれば手取りは減ります。
一方、厚生年金に加入することで将来受け取る年金額が増えるほか、健康保険では、病気やけがで仕事を休んだ場合の傷病手当金など、保障が手厚くなる面もあります。
そのため、「社会保険に入る=損」と、手取りだけで判断するのは少し早そうです。
では「130万円の壁」とは?
ここから、もう一枚の壁が登場します。
🐥:106万円がなくなるなら、扶養のことはもう気にしなくていい?
🐔:そこで出てくるのが130万円じゃ
130万円の壁は、106万円の壁とは仕組みが違います。
- 106万円の壁
自分の勤務先の健康保険・厚生年金に加入するかどうかに関係する - 130万円の壁
家族の健康保険の被扶養者などでいられるかどうかに関係する
つまり、
106万円=自分の勤務先の社会保険に入る条件の話
130万円=家族の扶養でいられる条件の話
なのです。
😸:同じ道に壁が2枚あるんじゃなくて、そもそも別の道にある壁だったニャ。
🐥:おお。ねこさん、今日は冴えてる!
😸:どっちの道にも行かず、真ん中で昼寝するニャ。
🐔:前言撤回じゃ。
106万円と130万円の壁、何が違う?
ここまでの違いを、いったん表で整理してみましょう。
| 項目 | 106万円の壁 | 130万円の壁 |
|---|---|---|
| 何の基準? | 勤務先の社会保険加入 | 家族の健康保険の扶養認定 |
| 金額の意味 | 月額8万8,000円の年収換算 | 年間収入の基準 |
| 誰に関係? | 一定の条件を満たす短時間労働者 | 家族の扶養に入っている人 |
| 2026年の変更 | 10月に賃金要件を撤廃予定 | 4月から判定方法を変更 |
| 金額は残る? | 106万円という目安はなくなる | 原則130万円未満は残る |
| まず確認 | 週20時間・勤務先の条件など | 契約上の年間収入・扶養要件など |
🐥:こうして並べると、全然違うね。
🐔:そうじゃ。「106万円の壁がなくなるから130万円も関係なくなる」とは考えないことじゃ。
😸:106万円さんと130万円さん、たまたま同じ「壁」という名字だったニャ。
🐥:名字だったの!?
🐔:ねこさんの説明を制度として覚えるでない。
106万円の壁がなくなっても、130万円の壁は残る
ここが今回、もっとも誤解しやすいところです。
2026年10月に106万円の壁が撤廃されても、130万円という扶養認定の収入基準までなくなるわけではありません。
たとえば、勤務先の社会保険の加入対象にならない働き方をしていて、配偶者などの健康保険の被扶養者になっている人。
この場合は引き続き、年間収入130万円未満という収入基準が関係します。
※実際の被扶養者認定では、年間収入130万円未満であることだけで決まるわけではなく、被保険者との生計維持関係など、ほかの要件もあります。
たとえば、被保険者と同一世帯の場合には、年間収入が130万円未満で、かつ被保険者の年間収入の2分の1未満であることなどが、原則的な認定の目安とされています。
【一次情報】厚生労働省「収入がある者についての被扶養者の認定について」
だから、
🐥:106万円の壁撤廃!
↓
🐥:もう扶養を気にしなくていい!
とはならないのです。
130万円の「判定方法」は2026年4月から変わった
そして2026年には、130万円基準についても重要な変更がありました。
これまで扶養に入れるかどうかは、過去の収入や現在の収入、今後の収入見込みなどから、今後1年間の収入を見込んで判定していました。
しかし2026年4月からは、給与収入のみで、労働条件通知書などから契約上の年間収入を確認できる場合には、契約内容から見込まれる年間収入をもとに被扶養者認定を行う仕組みになりました。
たとえば、労働条件通知書などに記載された時給や所定労働時間、所定労働日数などから、契約上の年間収入を計算します。
🐥:実際にもらった給料だけを見るんじゃなくて、この条件で働いたら1年間でいくらになる予定かを見るんだね。
🐔:そうじゃ。契約時には見込まれていなかった残業代などは、原則として年間収入には含めずに判定するんじゃ。
😸:オレの昼寝時間も契約書に書いておくニャ。
🐔:雇われてから言うんじゃ。
ここで、「私の労働条件通知書なら、どう計算するの?」と思った人は、厚生労働省のQ&Aも確認してみてください。
具体的な判定方法や、契約内容だけでは年間収入を確認できない場合の扱いなどが示されています。
【一次情報】厚生労働省「労働契約内容による年間収入の取扱いQ&A」
残業でたまたま130万円を超えたら?
🐥:じゃあ、忙しい月に残業して、結果的に130万円を超えたら扶養から外れちゃうの?
ここも今回の変更を理解するうえで重要なところです。
労働契約には予定されていなかった残業などによって一時的に収入が増え、結果として年間収入が130万円以上になった場合でも、それが「社会通念上妥当な範囲」の臨時収入であれば、それだけを理由に扶養の扱いを変更する必要はないとされています。
つまり、
契約上は130万円未満
↓
予想外の残業などが発生
↓
結果として一時的に130万円を超えた
というケースと、
最初から130万円以上になる契約で働いている
ケースを、同じようには扱わないということです。
🐥:でも、「社会通念上妥当な範囲」って、いくらまで?
はい。そこ、気になりますよね。
この「社会通念上妥当な範囲」について、「130万円を○万円まで超えてもよい」といった一律の金額基準は示されていません。
そのため、実際に一時的な収入増で130万円を超えそうな場合は、加入している健康保険の保険者に確認するのが確実です。
🐥:「135万円までなら大丈夫」みたいに決まっているわけじゃないんだね。
🐔:そうじゃ。自分で勝手に「ここまではセーフ」と線を引かないほうがよいぞ。
😸:オレは線があったら、とりあえず踏むニャ。
🐥:バナナの皮があったら?
😸:もちろん踏むニャ! 踏みにいかないわけがないニャ!
🐥:……目に浮かぶようだよ。
一律の「○万円までなら大丈夫」という数字はありません。迷ったら、自分が加入している健康保険に確認しましょう。
厚生労働省のQ&Aでも、認定時に見込んでいなかった臨時収入によって結果的に基準額以上になった場合の考え方が示されています。
【一次情報】厚生労働省「労働契約内容による年間収入の取扱いQ&A」
19歳以上23歳未満なら「150万円」の場合も
さらに家族を扶養している人には、もう一つ知っておきたい変更があります。
2025年10月から、19歳以上23歳未満の被扶養者については、一定の場合、年間収入の基準が130万円未満から150万円未満へ引き上げられました。
大学生年代の子どもなどがアルバイトをする場合を想定した見直しです。
ただし重要なのは、配偶者は対象外ということ。
また、これは「学生であること」が条件ではありません。年齢によって判定されます。
夫や妻について130万円の基準が150万円になったわけではありません。
🐥:106万円、130万円、150万円……。
😸:数字が増えてきたから、オレは寝るニャ。
🐔:読者を置いていくでない。
お子さんなどがこの年齢に当てはまる場合は、厚生労働省のQ&Aで年齢の判定方法なども確認できます。
【一次情報】厚生労働省「19歳以上23歳未満の被扶養者に係る認定に関するQ&A」
結局、私はどの「壁」を見ればいい?
ここまで読んだところで、冒頭の簡単なフローへもう一度戻ってみましょう。
🐥:最初に見たときより、意味が分かる気がする!
🐔:では今度は、もう少し詳しく確認してみるかの。
勤務先の社会保険の加入対象になる人
まず確認したいのは、自分が勤務先の社会保険に加入する対象になるかどうかです。
短時間労働者の場合は、週の所定労働時間や勤務先の適用条件などを確認します。
2026年10月からは月額8万8,000円以上という賃金要件がなくなりますが、企業規模など、ほかの条件は残ります。
勤務先の社会保険の加入対象になるのであれば、家族の扶養にとどまるために130万円未満へ収入を調整する、という考え方にはなりません。
勤務先の社会保険の加入対象にならず、家族の扶養に入っている人
この場合は、130万円などの被扶養者認定の収入基準を確認します。
2026年4月からは、給与収入のみで労働条件通知書などから契約上の年間収入を確認できる場合には、その契約内容から見込まれる年間収入をもとに判定します。
もちろん、被扶養者認定には収入以外にも生計維持関係などの要件があります。
19歳以上23歳未満の人
配偶者を除く19歳以上23歳未満の被扶養者については、一定の場合、年間収入150万円未満が基準になります。
学生かどうかではなく、年齢によって判定される点にも注意しましょう。
一時的な残業などで収入が増えそうな人
契約上は収入基準未満でも、予想外の残業などで一時的に収入が増えることがあります。
この場合、「○万円までなら絶対に大丈夫」という一律の金額はありません。
判断に迷ったら、自分が加入している健康保険の保険者に確認するのが確実です。
😸:オレの場合は?
🐔:まず勤務先を教えてくれんか。
😸:ないニャ。
🐔:給与収入は?
😸:ないニャ。
🐔:何の相談なんじゃ。
😸:ちゅ~る手当を増額してほしいニャ。
🐥:それは扶養してくれている人(飼い主)と交渉してください。
「壁がなくなる」より「働き方で社会保険が決まる」方向へ
今回の制度改正を、「106万円の壁が一枚なくなる」とだけ見ると、少し分かりにくいかもしれません。
もっと大きな流れで見ると、
年収を一定額以下に抑えることで社会保険への加入を避ける仕組みから、働く時間などに応じて社会保険に加入する仕組みへ
少しずつ変わっている、と考えると見えやすくなります。
企業規模要件も今後段階的に縮小され、2035年10月には撤廃される予定です。
そのため将来的には、「106万円を超えるか」という金額よりも、週の所定労働時間など、その人がどのような働き方をしているかが、より重要になっていきます。
社会保険に加入すると保険料負担が発生するため、同じ給与額で比べれば手取りは減ります。
一方で、厚生年金への加入によって将来の年金額が増えたり、健康保険の保障が手厚くなったりする面もあります。
だから「壁を超えたら損」とだけ考えるのではなく、次のことを確認するのが大切です。
- 自分は勤務先の社会保険の加入対象になるのか
- 扶養を続けたいなら、どの収入基準が関係するのか
- 分からない場合は、勤務先や加入している健康保険の保険者に何を確認すればよいのか
まずは自分の立ち位置を知ることが大切です。
まとめ――106万円がなくなっても、扶養がなくなるわけではない
最後に、今回のポイントを整理します。
- 2026年10月に撤廃されるのは、短時間労働者の社会保険加入要件の一つである月額8万8,000円以上という賃金要件
- 「106万円」は月額8万8,000円を年収換算した目安
- 106万円の壁と130万円の壁は、そもそも違う仕組み
- 130万円という被扶養者認定の収入基準は原則として残る
- 2026年4月からは、一定の場合に契約上の年間収入をもとに130万円未満かを判定
- 予定外の残業などで一時的に130万円を超える場合について、「○万円までなら大丈夫」という一律の金額基準はない
- 19歳以上23歳未満の被扶養者は、配偶者を除き一定の場合に150万円未満が収入基準
- 社会保険へ加入すると同じ給与額なら手取りは減る一方、厚生年金や健康保険の保障が手厚くなる面もある
- 迷ったときは、自分の勤務先や加入している健康保険の保険者に確認する
🐥:つまり、106万円の壁がなくなっても、扶養の壁が全部なくなった!じゃないんだね。
🐔:そのとおりじゃ。
🐥:106万円と130万円は、そもそも違う仕組み!
🐔:うむ。
🐥:まず自分が勤務先の社会保険の加入対象なのか確認する!
🐔:うむうむ。
🐥:130万円を一時的に超えそうなら、勝手にここまでなら大丈夫と決めずに健康保険へ確認!
🐔:よくできました。
😸:オレも分かったニャ。
🐥:ほんと?
😸:106万円さんと130万円さんは、名字が同じだけの別人ニャ。
🐔:そこを覚えてしまったか……。
社会保険の「年収の壁」は、数字だけを見ると迷路のようです。
でも、
- いつ変わるのか
- 106万円と130万円は何が違うのか
- 自分はどちらを確認すればいいのか
一つずつ分けて考えると、迷路の出口は少しずつ見えてきます。
